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伊東静雄の献詞と家島のこと

 投稿者:上村紀元  投稿日:2009年 8月11日(火)23時50分19秒
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  静雄は、数篇の作品を敬愛する人に献じていますが、「曠野の歌」(コギトS10年4月号)を萩原朔太郎氏に献じています。(詩集「わがひとに与ふる哀歌」では削除)「漂泊」の草稿は、「H島に寄す」が原題で、S10年6月小高根二郎の室を尋ねた靜雄は、原稿用紙を求めそそくさとしたため朗誦を始めた。(詩人、その生涯と運命)その後、詩文内容が彫琢され、詩題も「漂泊」に変更されーA・Tーにと記した。(コギトS10年8月)(詩集「哀歌」では削除)A・Tとは青木敬麿氏であることは間違いないと思う。H島とは、姫路の島「家島」のことである。家島は揖保町岩見港からも望まれる。家島のことについては、酒井百合子宛ての書簡にも出てくる。(家島のことや姫路のことや本明川のことがどっさり歌ってある筈です。)「家島」の名前の由来は、神武天皇が島内に入ると外の嵐はうってかわって波が穏かになったことから、まるで自分の家に居るように感じられたことから「家島」の名前がつけられたという。静雄の詩にも「あゝ幾歳を経たりけむ 水門の彼方/高まり 沈む波の揺籃」とある。また家島には、昔から赤坂清水と云う湧き水が存在し、島内の貴重な水源であったことも、ー入海の奥の岩間は孤独者の潔く水浴に真清水を噴くー「漂泊」の舞台が「家島」であることを裏付ける。  
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